先生、 ご存知かと思いますが、東尾久に加藤金治さんという三味線職人の方がいらっしゃいます。今年の8月初め、荒川フォトの活動の中でご縁をいただき、私も加藤さんを撮影させていただきました。 そして昨日、インターネットで、先生が2005年に開催された「荒川の職人」展の写真を見つけました。その中に、先生が撮影されたご自身の写真の前に立つ加藤さんの姿があり、思わず見入ってしまいました。 先生が2005年に撮られた加藤さんと、私が2026年に撮った加藤さん。20年以上の時を隔てた二枚なのですが、どちらも真正面から捉えた構図でした。仏像と同じように、職人さんの持つ気質や佇まいを真正面から受け止めようとすると、自然と正面から撮影することが多くなるのは、理にかなっているように思います。 ただ、それだけではなく、時代が変わっても、撮る人間が変わっても、加藤さんという方は、やはり真正面から向き合って撮りたくなる人物なのだろうか。そんなことを考えると、とても面白く感じます。被写体そのものが、写真の構図を決めてしまうこともあるのかもしれません。 そしてもう一つ嬉しかったのが、先生の「荒川の職人」展も、町屋文化センター2階の「ふれあい広場」で開催されていたことです。もちろん、「荒川の職人」以外にも、先生が同じ会場で数多くの写真展を開催されてきたことは承知しております。 先般ご報告させていただいた通り、来年3月、同じ場所で私も「荒川の人々(仮)」という写真展を開きます。先生が20年以上前に荒川の職人たちを展示されたその場所に、自分も荒川の人々の写真を並べるのだと思うと、これまで以上に楽しみになってきました。 写真展の中には、一つのコーナーとして、先生へのオマージュとなる展示も作ってみようと思っています。 その参考にしたく、今日、図書館で先生の写真集を20冊ほど借りてきました。昔の写真集は、本当に作りが豪華ですね。紙も装丁もしっかりしていて、どれもどっしりと重い。欲張って一度に借りてしまったものですから、歩いて持ち帰る途中、あまりの重さに3回ほど休憩してしまいました。 それでも、こうして先生の写真集をまとめて見られるのは、とても贅沢な時間です。写真だけでなく、写真集としての見せ方や構成も含めて、じっくり勉強させていただこうと思っています。 先生がかつて撮られた荒川の人々と、今、私が撮っている荒川の人々。時代を越えて少しでも写真がつながっていけば、こんなに嬉しいことはありません。 若色 拝
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